渡辺 太陽 (ファイナンス学科)
2025年3月卒業予定 独立行政法人国際協力機構(JICA)に就職予定
琵琶湖のかっぱのお兄さん
高校時代に1年間留学したニュージーランドで経験したラグビーの楽しさを忘れられず、大学ではラグビー部に所属しました。スクラムの最前列で相手にぶつかるフォワード・プロップとして、練習に没頭しました。一方で、琵琶湖の美しい自然環境を守る活動をしたいと思い、環境保護サークル「マスターネイチャー 」を立ち上げました。子どもたちに少しでも環境問題に興味を持ってもらおうと、江戸時代からの地域の伝統や琵琶湖の自然を盛り込んだオリジナル紙芝居『カッパのニラミ』を脚本から作りました。学童保育所などで上演し、この活動はNHKの番組や新聞でも紹介されました
官民協働の奨学金を得て、未電化地域の課題に挑む
大学3年時には、脱炭素の勉強会に半年間参加し、日本国内外のエネルギー問題に触れました。アフリカでは今も6億人以上が電気を使えず、深刻な貧困や教育格差が生じていると知ったのは衝撃的な学びでした。実際に現地の未電化地域で電気を届ける活動をしたいと思うようになり、官民協働の奨学金事業「トビタテ!留学JAPAN」に応募・選抜され、渡航を決めました。そして、2023年夏から、アフリカ東部のタンザニアで、工場の屋根などに太陽光パネルを設置して安定した電力を届ける事業に取り組みました。太陽光で電気が灯った瞬間の現地の人たちの歓声は、今も脳裏に焼きついています。また、現地の人と仲良くなって金の鉱山のオーナーを紹介してもらい、恐る恐る山奥の金鉱山まで一人で会いに行きました。坑道内に溜まる水を吸水するポンプや、鉱石を粉砕する機械に、太陽光の電気を使うことを提案し、大変喜んでもらいました。その後、金の鉱山への大量の太陽光パネル設置に向けて準備が進んでいます。
「太陽」のように照らしたい
帰国後、24年7月、文部科学省主催の「Global×Innovation人材育成フォーラム」という会議で、産官学の代表者の方々にプレゼンさせて頂く機会を与えられました。そこで、国の制度として挑戦する若者を後押しする重要性を訴えました。さらに、トビタテ!留学JAPANの次期参加希望者への説明会でも自身の体験をプレゼンする機会を頂きました。誰かの新たな挑戦の一歩を促すことができれば、という強い願いを胸に、苦労と喜び、感謝の気持ちについて語りました。卒業後は、独立行政法人「国際協力機構(JICA)」で、発展途上国のエネルギー問題の解決やインフラ整備を通じて、現地社会の可能性を引き出し、一人でも多くの人が希望を持って生きることができる社会の創造を目指したいと思っています。