永田雄基(経済学科)
経済産業省主催「国際即戦力育成インターンシップ事業」第4期生
はじめに
私は経済産業省が主催する、「国際即戦力育成インターンシップ事業」の第4期派遣メンバーとして選抜され、東南アジアに位置するマレーシアの現地商社で6か月間のインターンシップに取り組みました。 高校卒業までの12年間、野球部生活で培った積極性とリーダーシップ、 大学のゼミで学んだ専門知識とチームでの問題解決能力を武器に世界のビジネスの舞台で戦ってみたい、その一心で一年間の休学を決意し、このプログラムに参加しました。近江商人、世界商人へ
派遣先企業と研修内容
私はマレーシアの工業都市セランゴール州にある、従業員10人ほどの現地商社に派遣されました。会社では、出国前の事前研修で作った研修スケジュールと目標に沿って、商品の営業活動や新商品の販売立ち上げ業務、新規ビジネスプランの提案、展示会での出展業務を主に担当しました。会社の従業員不足が深刻だったことから、売上実績を通じて会社の業績を立て直すことに、特に力を注ぎました。成果
- 新商品の日本製非常用圧縮毛布の販売立ち上げ業務に取り組みました。サンプル輸入や通関手続きに加え、担当者と交渉を何度も重ね、マレーシア内での独占販売権を獲得することに成功しました。この業務を通じて、会社と日本企業の人脈形成にも貢献することも出来ました。
- 担当商品であるドイツ製アルミニウムコンテナ、日本製非常用圧縮毛布の営業活動に注力しました。商品価格が高い為顧客の興味を得ることに苦労しましたが、計1000件のメールの送信、日々の電話営業、顧客への商談の主催といった努力の甲斐あって、何とか自身の売上目標を達成することが出来ました。
- 新規ビジネスプランの提案を計5回行いました。会社のCEOの興味を得ることができず、一瞬で企画書を突き返されることもありましたが、提案した医療機関向けの韓国製酸素カプセルの販売プランに沿って、今年中の輸入、発売を検討して頂けるまでに漕ぎ着けることが出来ました。
ツワモノ達との経産省での白熱プレゼン大会
帰国後、経産省主催で行われたインターンシップ報告会と新規ビジネスプランのプレゼン大会に参加しました。私が準備したビジネスモデルは、マレーシア内で社会問題になっている肥満問題を解決する為の、食と運動による総合的な健康増進プログラムでした。マレーシアに滞在中、インターンシップ先が販売している糖尿病患者向けの無針注射器をきっかけに、糖尿病に繋がる肥満人口がマレーシア全体の約45%と、東南アジアダントツのNo.1であることを知りました。
「この肥満問題を解決したい」、そう思った私は、この体験と知見を元に現地でモデルを練り上げてきました。
有名大学の学生40名が次々とプレゼンを行う中、彼らの考えたモデルの面白さに、私は正直圧倒されていました。しかし、「絶対に負けたくない」、この思いで私は強みのプレゼン力を武器に、現地で考え抜いたモデルを信じて自分の全てをぶつけました。発表時間が一瞬に感じられるほどでした。
そして運命の結果発表。準優勝の発表で私の名前が呼ばれた時、驚きと嬉しさから全身で喜びを爆発させました。「マレーシアで必死に頑張ってきてよかった」、心からそう思えた瞬間でした。
最後に
昨年7月にこのインターンシップ事業の派遣生に選抜されてから、今年3月の帰国報告会までの約9か月間、派遣仲介機関のスタッフをはじめ、多くの関係者の方々からご支援を頂きました。事前研修では、海外で生活をする上での注意事項、新規ビジネス立ち上げの進め方、英語でのコミュニケーション、交渉術など、幅広い研修を受講出来ました。そして研修期間中は常に体調チェックや治安情報の共有をして頂き、おかげさまで病気やトラブルなく無事研修を終えることが出来ました。改めまして、関係者の方々に厚く御礼申し上げます。・HIDA URL
http://intern.hidajapan.or.jp/