村上達哉(経済学科) 上小澤圭那(会計情報学科) 山崎美奈(情報管理学科)
はじめに
私たちは、内閣府国際交流事業のひとつ、平成27年度次世代グローバルリーダー事業「シップ・フォー・ワールド・ユース・リーダーズ」に日本代表青年として参加しました。この事業は、以下の3点を通じて、国際化の進む各分野においてリーダーシップを発揮できる青年の育成を目的としています。
(1)海外青年との相互理解
(2)異文化対応力・コミュニケーション力の向上
(3)国際協調精神の育成
本プログラムは、平成28年1月18日から、東京都内で8日間の研修を受けた後、にっぽん丸での33日間の船上研修を行い、その途中でインドとスリランカに寄港するという充実したプログラムでした。今年度は世界10か国からの海外青年約120人と日本人青年約120人がこの研修に参加しました。
主なプログラム内容
ナショナル・プレゼンテーション
各国45分間が割り当てられ、歌や踊り、写真や映像、スライドなど様々な方法で自国の紹介を行いました。日本チームは、ソーラン節や剣道、震災からの復興などを紹介しました。コース・ディスカッション
環境・青年企業・情報メディア・教育・防災・地域づくりの6つのコースがありました。コースごとにディスカッション、東京都内や寄港地での関連施設の訪問、企業や大学での講義の受講などを行いました。最後にはそれぞれのコースごとに20分間の発表を行うサマリー・フォーラムがありました。
セミナー
プロジェクト・マネジネントセミナー、リーダーシップセミナー、異文化理解セミナー、心理学セミナーといった様々なセミナーを受けました。一方的に講義を受けるだけではなく、小グループに分かれてのディスカッションが頻繁にあり、海外青年のリーダーシップについての考えや、日本への印象を知ることができ、とても有意義でした。プロジェクト・マネジメントセミナーでは、実際に日本の地域の若年人口減少に取り組むプロジェクトの構想を練り、各グループで発表しました。
また、参加青年自身がセミナーを開くこともできました。
寄港地活動
インドとスリランカに寄港し、施設の訪問、現地の学生や既参加青年との交流やディスカッションなどを行いました。施設訪問では、各コースに分かれ、学校や研究所、テレビ局など、それぞれのテーマに沿った内容を学びました。また、スリランカではホームビジットの時間があり、現地の家族と半日生活を共にし、一般的な家庭の生活を体験することができました。寄港地活動は、インドとスリランカの政府や、既参加青年の全面的な協力があり、留学や旅行では得られない貴重な経験を積むことができました。
このほか、国連大学訪問、クラブ活動(文化紹介活動)、事後活動セッションなど、様々なプログラムに参加しました。
事業を振り返って
1ヶ月半という短い期間ではありましたが、10ヶ国から集まった海外青年との共同生活という理想的な環境の下で、様々なことに挑戦することができました。特に、委員会のリーダーとしての活動は、多国籍チームでの活動の難しさや面白さを改めて感じるなど、多くのことを学びました。また、プログラム終盤には参加青年全員の一体感も最高潮に達していたことから、どれだけ文化や考え方が違っていても、互いを理解し協力できるという事を実感しました。現実世界は比較にならないくらい複雑ではありますが、それでも、人々がそれぞれの利害を乗り越え、国際的な協力ができるはずだ、このことを再確認しました。 (村上達哉)
私はこの事業で、世界の問題はグローバルな視点で解決しなければならないということを実感しました。環境コースで、海外青年たちと各国の環境問題や国民の意識について話し合ったこと、また有志でパレスチナや難民に関する問題やインドの環境問題についてディスカッションをするチームに参加したことから、国と国が協力して問題解決していくことの重要性を改めて感じました。
また、このプログラムを通して、本当に様々な人と出会いました。ソーシャルワーカー、国連職員、ボランティアで消防士をしている学生、音楽教師、医師、写真家、それぞれが自分の強みを生かし、みんなでひとつの船を創っていきました。それはこの研修でしか得られない、生涯の財産となる素晴らしい経験です。 (上小澤圭那)
私が本事業へ参加した理由は、世界中に友人を作りたい、語学力を高めるキッカケがほしい、自分に自信が欲しい、主にこの3点でした。そして100%ではありませんが、プログラム全体を通してこれらの目標を達成することができました。
私はほぼ海外経験ゼロで本事業に参加したのですが、それゆえ他の参加者達よりも得たものが大きかった気がしています。なので、むしろ私は自分と同じような非グローバルな学生にも、本事業への応募を検討してみてほしいのです。 十分でない語学力や初めて異文化に触れることへの不安や怖さは、最初だけです。(と言いつつ、私は開始当初に少し痛い目を見たので参加が決まった時点からの英語学習をオススメします。) しかし、それも参加すれば何とかなります。国外だけでなく、国内にも多くの大切な友人ができることも、この事業に参加する大きなメリットのひとつです。 少しでも楽しそう、興味がある、あるいは自分を変えたいと思うなら、躊躇うことなく応募することをお薦めします。 (山崎美奈)
内閣府国際青年育成交流事業について
以下のページをご覧ください。http://www.cao.go.jp/koryu/