経済学部・大学院経済学研究科

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日本における高校ラグビーの現状と課題(中国ブロック)

社会システム学科 教授 三神 憲一
研究成果
「日本における高校ラグビーの現状と課題」について‘ これまでに九州、四国ブ ロックの調査、研究を試みた。この研究の基軸は、ただ単にアンケートを送付し、 その質問に答えていただくという表層的な手法ではなく、各ブロックにおいて現場 の指導をされている先生方の『生の声Jを聞き取り、各県の現状を探り、しかるべ き課題点についての施策を導いていくことにある。
これまで2ブロック(九州・四国)の調査・研究から、近年、高校ラグビーの二 大勢力のーっとして注目を集めている九州ブロックでは、全国的な共通課題でもあ る少子化・運動クラブ離れが叫ばれるなか、各県ともに普及・育成に欠かすことの できない底辺部の基盤が整備されており、それに連動する形で強化・施策面におい ても充実し、成果が表れていた。特長は、ブロック全体が県域を越えた情報交換、 合同練習、合同合宿、練習ゲームなど、近畿以外のブロックでは見られないであろ う協力体制が構築され、各県指導者のラグビーに対する情熱と連帯意識の高さがみ られた。それに対して、前稿で実施した四国ブロックは、強化に関する施策もさる ことながら普及・育成面においても多くの課題点がみられた。主たる要因としては、 全体的に競技者人口の不足、ラグビー競技を指導することのできる教員数の低下、 各県の連繋がうまくいっていない。などがあげられよう。このブロックでは総合型 地域スポーツクラブとの関連を視野に入れた広域的な施策も一つの方法であると 考えられる。
今回、調査・研究を実施した中国ブロック(鳥取、島根、山口、広島、岡山)・で は、強化・普及・育成面において、四国ブロックと類似する課題点がみられたもの の、山口、広島両県においては、底辺部の育成(ラグピースクール)を中心に高校 生の強化施策のためには欠かすことのできない、小・中段階の新新的な普及活動が みられた。また、ラグビー競技に対する熱意から生活面の意識改革を基に、人格形 成へと導く先生にも対面できた;全体的には、少子化現象・高校生のクラブ離れが 現実の問題としてクローズアップされているなかで、教員の転勤・経費・教員の負 担、また指導の現場では、多種目と共同するグランドの問題など、各県それぞれが 抱える諸問題が見られた。
高校生の課外活動の一環として実施されるクラブ活動では、行政サイドとの議論 の場の設定、さらには各県の県域を越えた中国ブロックでの共通課題を精査し、連 携を深める中で、将来を展望した、強化施策や普及・育成方法を早急に検討する必 要があると考えられた。

結果発表
1 .結果発表の時期平成21年度
2. 結果発表の方法『彦根論叢』

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