●伝統とつながり
滋賀大学経済学部は、2023(令和5)年、その前身である(旧制)彦根高等商業学校の創設から数えて 百周年を迎えました。本学部の立地する近江・滋賀は、古来より近畿と東海・北陸を結ぶ経済的文化的な接点として先進的な発展を遂げ、近江商人をはじめとして幅広い視野をもった人材を多く輩出してきた地です。本学部は「国際的な視野をもち、環境に配慮しつつ地域社会にも貢献できる、個性ある専門職業人の養成(グローバル・スペシャリストの養成)」を教育理念として掲げていますが、これは、この地に育まれてきた高い人格と豊かな教養、社会奉仕的精神など重視して人を育てる伝統を引き継いだものです。
滋賀大学経済学部の卒業生の活躍の場は日本・世界のさまざまな分野に広がっています。1926(大正15)年春、彦根高商の第1期生により組織された同窓会は1949(昭和24)年の(新制)滋賀大学の発足後にも引き継がれ、その会員数は延べ36,000名を超え、今日では、 一般社団法人「陵水会」として法人化されています。陵水会の皆様には、滋賀大学の教育・研究活動、学生の就職活動への支援、「陵水奨学金」や「グローバルリーダー育成陵水奨学金」の給付など、長年にわたりお力添えをいただいております。また、学生の課外活動(部・サークル)の団体も多くのOB・OGの皆様に支えられています。
●先進性
滋賀大学経済学部は、社会の変化や新たな課題に応えるために、数々の先進的な取組を行ってきました。日本初のデータサイエンス学部(2017年-現在)は経済学部の情報管理学科(1990年設置)を受け継ぎ、発展させたものです。それ以外にも、会計学科(1977年設置)・会計情報学科(1993年設置)、ファイナンス学科(1991年設置)、社会システム学科(1993年設置)、大学院のグローバル・ファイナンス専攻(博士前期)(2001年設置)、経済経営リスク専攻(博士後期)(2003年-現在)といった「日本初」「唯一」といった形容詞の付く先進的な学科・専攻を設置し、社会の要請を先取りするように教育・研究内容を充実させてきました。
2024(令和6)年4月には、大学院経済学研究科に日本初の経営分析学専攻(MBAN:Master of Business Analytics)も設置しました。これはデータサイエンス研究科との連携を強めた類のない専攻で社会的にも関心を集めています。
●主体的な学び
滋賀大学経済学部は、2023(令和5)年4月より、学科再編を行い学科を1つにしました。各自の学びの指針を専攻と呼びます。学生は3回生進級時に経済・経営・社会システムの3専攻から1つを選択します。尖った専門的知識と幅広い社会・人文科学に基づく学際的・総合的な視野をともに学びうる環境が実現されており、専攻分けを念頭にしつつも、入学後まずは幅広く学んでみることが可能です。
すでに学びの方向性を決めている場合には、グローバル・コース(旧・共創グローバル人材育成コース)やデータサイエンス・コース(旧・政策-ビジネス革新創出人材プログラム/データサイエンス副専攻)に参加することもできます(選抜制)。
多様なゼミ活動、海外研修プログラム、交換留学制度、自主企画海外体験・研修、プロジェクト科目など単位取得が認められるもののほか、社会連携センターの学生自主活動やサステナウィーク、開放型学習スペースの利用など、学びの形態は多種多様です。経済学部附属史料館、経済経営研究所、環境総合研究センターといった研究機関の活動にも注目してください。
●湖国から世界へ
滋賀大学彦根キャンパスは悠然とした琵琶湖と美しい国宝彦根城の間に位置しています。おだやかな土地柄ですが、城下町としての賑わいもあります。広すぎない校地に、出会うには十分な数の同期・先輩・後輩がいます。未体験のスポーツや文化活動を始めてみたり、ゼミ仲間と熱く議論したり、資格取得の勉強に打ち込んだり、思いっきり本を読んだり、海外遠征を企ててみたり......皆、思い思いの学生生活を送っています。
滋賀大学経済学部は、一人一人が存分に自身をのばせる場であり続けたいと考えています。
2024(令和6)年4月
能登 真規子