目的と特色
本研究科は、グローバルな視点と高度な専門能力を持つ「高度専門職業人」を養成することを目的としています。
そのため、国立大学最大規模を誇る経済学部の特質をフルに活用し、大学院教育を行います。多様で豊富なカリキュラムと、課題に対する多面的なアプローチを提供することが可能となっています。
より効果的な教育を行うため、博士前期課程は、経済学専攻、経営学専攻、経営分析学専攻の3つの専攻を有します。その中で、戦略的思考を有した地方行政のプロフェッショナルから、戦略的マネジメントやマーケティングの専門家、起業家、税理士、高度なデータ分析専門家など、多彩な高度専門職業人の養成に対応しています。
また、アカデミックな目で現職務を見直し自分の進む道を再確認したい方、実務経験を総括し生涯の知的満足を満たしたい方、アカデミックなアプローチを通じて培われる能力を高度専門職業人として生かしたい方や研究者を目指す方にも適しています。
これらの専攻を充実したものにするため、他大学院では見られない多様で豊富な専任教員を本研究科に配し、学際的で総合的な社会科学的知識を提供しています。
その上で、主指導教員と協力して研究生活を支援する副指導教員制度を敷くなど、きめ細かく手厚い研究支援体制を組んでいます。
区分 |
専攻名
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定員
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経済学研究科 |
経済学専攻 | 13名 |
経営学専攻 | 13名 | |
経営分析学専攻 | 6名 |
教育理念と教育目的
滋賀大学経済学部は、建学の精神「士魂商才」(相互扶助・社会奉仕の精神をもつ商業的技術の専門家)を現代に継承し、教育理念として「国際的な視野をもち、環境に配慮しつつ地域社会にも貢献できる、個性ある専門職業人の養成(グローバル・スペシャリストの養成)」を掲げ、その資質として「意識、知識、見識」の涵養とそれを基礎にした課題探求能力の育成に取り組んでいます。
この教育理念を大学院経済学研究科に具体化し、博士前期課程(経済学専攻、経営学専攻、経営分析学専攻)は、グローバル・スペシャリス卜として、経済学や経営学に関する高度な専門知識を備える高度専門職業人の養成を目的としています。
アドミッションポリシー
滋賀大学大学院経済学研究科博士前期課程は、教育理念・目標に基づき、次のような人を求めています。
- いずれかの専門分野において学士課程を卒業した者(見込含む)又はそれと同等以上の学力がある者で、経済学研究科で学ぶために必要な知識、論理的思考力と表現力、コミュニケーション能力をもつ人
- 経済学、経営学、あるいは経営分析学における知の探求と創造に意欲と能力のある人
- 国際社会・地域社会の課題の発見とその解決に主体的に専門知識と見識・教養をもって取り組む高度専門職業人を目指す人
このような人材を選抜するために、推薦入試および社会人入試(派遣社会人、熟年社会人)では、出願書類及び口述試験によって志願者の資質を適切に評価します。また、一般入試、社会人入試(一般)、外国人留学生入試では、出願書類、筆記試験、口述試験によって志願者の資質を適切に評価します。
ディプロマ・ポリシー
滋賀大学大学院経済学研究科博士前期課程では、下記の条件を満たした者に修士(経済学、経営学又は経営分析学)の学位を授与します。
- 専攻分野に関わる概念、理論、仮説、実証的根拠などを体系的に修得し、最新の研究動向にもキャッチアップできる、専門性を備えている。
- 研究テーマや実践的課題について、理論的・実証的に思考し、意思決定したり、問題解決に導いたりできる、課題探求力を備えている。
- 専攻分野とは異なる視角からも、問題を解釈したり、アイデアを発想したり、さらに関係者とコミュニケーションできる、高度専門職業人としての見識・教養を備えている。
カリキュラム・ポリシー
滋賀大学大学院経済学研究科博士前期課程では、ディプロマ・ポリシーに基づき、経済学、経営学、経営分析学の専門知識を備える高度専門職業人を養成するカリキュラムを提供します。
1.カリキュラム編成
博士前期課程のカリキュラムは「基礎科目」、「展開科目」、「連携実践科目」、「演習科目」の科目区分からなります。
(1)基礎科目(リベラルアーツ)
基礎科目には、コミュニケーション力を養成する科目を配置し、また学内で提供される多様な科目を基礎科目として開放し、幅広く見識・教養を涵養します。
(2)展開科目(専門性)
【経済学専攻】
経済学専攻には、社会経済活動、国際金融やコーポレート・ファイナンスを対象に、経済学、社会学及びファイナンスの観点から理論的、学術的に分析・評価するために必要な専門科目を体系的に配置しています。
本専攻の専門科目の学修を通じて、行政や地方自治体の職員、企業の財務担当者やファンド・マネージャーなどに求められる政策立案や組織運営などの高度な専門職能を育成します。
【経営学専攻】
経営学専攻には、企業経営や組織運営やコーポレート・ファイナンスを対象に、経営学、会計学及びファイナンスの観点から理論的、学術的に分析・評価するために必要な専門科目を体系的に配置しています。
本専攻の専門科目の学修を通じて、組織の経営における経営企画担当者、経理担当者、マーケター、ファンド・マネージャーなどとしての専門職能を育成します。
【経営分析学専攻】
経営分析学専攻には、高度なデータ分析をこなし業務変革を主導する上級管理職を念頭に置いて、経営データ分析に必要な経済・経営学的知識、実践的な知識、AI・数理データサイエンスに関する知識に必要な専門科目を体系的に配置します。
本専攻の専門科目の学修を通じて、経営企画、財務・経理部門、マーケティング部門、人事部などでのデータ分析担当者としての専門職能を育成します。
【データサイエンス副専攻】
データサイエンス副専攻は、3つの主専攻に加え、データサイエンスの基礎を修得した者に、データサイエンス研究科と協力して開講する科目の履修機会を提供し、さらに高度なデータ処理能力やデータ分析力を養成します。
(3)連携実践科目
連携実践科目には、シンクタンクや経済経営研究所との連携科目及び実践的応用力や実務能力を体験的に修得する科目を配置しています。
(4)演習科目
演習科目では、博士前期課程の学修の集大成として、学位論文の作成を通じ、専門分野における理論的かつ実証的な分析能力を育成します。
2.学修成果の評価
学修成果については、成績の評価基準に照らし、各科目のシラバスの「授業の到達目標」「成績評価の方法」欄で設定されている到達度・評価方法に基づき評価します。なお、到達度は、定期試験、小テスト、レポート、実演、学習記録及び発表・報告など、多様な方法の中から適切な方法を選択又は組み合わせて判断します。また、学位論文については、経済学研究科論文審査基準に基づく論文審査及び最終試験の結果により評価します。