鬼頭 伸典 (経済学科)
2022年3月卒業 JAXA(宇宙航空研究開発機構)に就職
人生を変えたマレーシア人との出会い
大学入学と同時に、国際社会に貢献する人材育成を目的とする学内のグローバル人材育成コースに選抜され、そこで出会ったマレーシア人との交流が私の大学生活を一変させました。この時、「世界をもっと知りたい」という好奇心と「世界をもっと知らなければ」という使命感を抱き、大学生活を通じて国際交流や海外経験を積むきっかけになりました。それ以来、外務省や内閣府主催の事業に参加し、国籍やバックグラウンドの異なる人々との多様な活動に力を注いできました。
NASA研修から決心したグローバルゼミへの挑戦
2年時には、社会貢献度の大きい宇宙分野に関心を抱いていたことからNASAの研修に応募し、アメリカのヒューストンで2週間の研修を受けるチャンスを手に入れました。日本や中国をはじめとするアジア出身の学生と共に、月面探査車の考案など数々の課題解決に奮闘しました。また、宇宙飛行士の方々の講演会や宇宙事業を担っている企業訪問等を通じて、宇宙産業について幅広く学びました。Mission Control Centerを訪問した際には、星出彰彦宇宙飛行士にお会いし、「いかなる分野でもグローバルに活躍するためには、一つの専門性を極めることが大切である」というメッセージをいただきました。将来はグローバルに働きたいと思っていたことから、世界でも通用する専門性を身につけたいと考えるようになりました。
その言葉に後押しされ、3年時からはグローバルゼミの門を叩き、財務経理の専門性を鍛えました。当時、剣道部の主将も務めていた私は、ゼミの研究と剣道部のマネジメントの両立に全身全霊で取り組みました。
コロナ禍での留学中止と再起
4年時には、将来グローバルに活躍するために必要な力を鍛えるため、内閣府国際交流事業「世界青年の船」に選抜され、11カ国、240人の青年と1ヶ月間、船上での交流活動に奮闘しました。その後、1年間休学して留学と海外インターンシップに取り組む予定でしたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響ですべて中止になりました。絶望的な状況でしたが、それでも、「コロナ禍があったから今の自分がある」と後で振り返った時に思えるように、自分なりにできる活動を続けました。
2020年10月には海外渡航に関する制限が緩和され、当時感染者数が最小だったカンボジアで、食品卸売会社のインターンシップに挑戦することを決意しました。現地では、マグロ販売リーダーとして、日本から輸入する本マグロの販売に奔走しました。営業やマーケティングの最適な手法を現地スタッフと日々模索しながら、売上の向上に努めました。
コロナ禍に翻弄されながらも、自らが設定した長期的な目標や目的のために実行し続けることの重要性を実感しました。外部環境を言い訳にせず、あらゆる手段を通じて問題解決の可能性を探ることで道が切り拓いてきました。
To Infinity and Beyond ~無限の彼方へ~
大学時代の様々な経験を通じて、「当たり前を疑い続ける」ことの大切さを学びました。とくに世界青年の船事業で11カ国からの代表青年と寝食を共にした経験や、新興国で現地の人々と共に働いた経験から、このことを痛感しました。日本で暮らすなかで正しいと感じてきたことは、地球規模でみると無数に存在する選択肢の一つでしかないと、今では考えています。
就職先のJAXA(宇宙航空研究開発機構)は、宇宙航空分野を通じて、人類の未来のために活動しています。近年、宇宙産業は多様な宇宙企業が台頭するNewSpace時代に突入したと言われており、2040年までに100兆円規模の市場になると予測されています。将来は、ダイナミックに変化し続ける環境下でこれまで培った価値観やスキルを活かし、世界規模の課題解決に挑戦したいと思っています。日本や世界の人々とワンチームになって、日本の宇宙産業の国際競争力の向上や人類が直面している課題の解決に貢献したいと考えています。